スポーツ自転車の“心臓部”ともいえる外装変速機の調整。
リアディレーラーが変速できなくなったら見よう
ロードバイクやクロスバイクやマウンテンバイクやシクロクロスにおける7速・8速・9速・10速・11速機、さらにはミニベロ折りたたみ自転車やママチャリでも活躍する6速機と、なんやかんやで外装変速機はまだまだ大活躍している。
いろいろ内装変速機の優秀さが取り沙汰されるけれども(これからの電動自転車世代には多段の内装ギアがどんどん搭載されているし)、しかしやっぱり外装ギアは手が入れやすいのか、とりわけスポーツチャリには基幹パーツであり続けるね。
ギアチェンジするのが楽しみな所あるわけで自転車乗りは。しかしそんなギアチェンジがうまく出来ないようになってきたら再調整しておきたいが、その度にショップで工賃払っていくより自分でもやれたらエコやし。
そんな基本にして奥義である外装変速機をスパスパ変速させましょう。
※シマノのリアディレーラーの変速調整をやっていくよ
「仕組み」を理解しておけば、イジってるだけでマスターできるでしょう!
変速調整に必要なアイテムや工具の一覧
- 後輪を浮かせるアイテム(センタースタンドやディスプレイスタンドやワークスタンドなど)
- 工具など
※外装変速機は「ペダルを回しながら変速しないとイケない」ので後輪を浮かす必要がある!
自転車の後輪を浮かせるアイテム
おすすめは「センタースタンド」
GIZA PRODUCTS(ギザプロダクツ) アジャスタブル ダブルレッグ センタースタンド CL-KA56 ブラック KSC00900
一石二鳥とはこのこと。
もともとは「自転車を立てておく」のに非常に効率的かつ安定的な秘密兵器として密かにブームを巻き起こしているセンタースタンド。片足スタンドではスマートだけどバランスが悪いし、ママチャリライクな両立ちスタンドでは少々不格好。その「良いとこ取り」を果たしたのがセンタースタンドなのだが、
なんと後輪が浮く。
よって「変速調整まで可能」という超新星ぶり。
激オシします!
一般には「自転車ディスプレイスタンド」などを用いる
L字タイプ・「T_B078』 NinoLite L字型 自転車 スタンド メンテナンス / ディスプレイ 保管 簡単にし込むだけで My サイクル バイク におしゃれ !」
キホンはこれ。
通常、安価に揃えるならディスプレイ用のスタンドなどを用いる。自分も元はこういうブツを使用していた。ただ普段はあまり使っていないし、少々取り付けにくいので、センタースタンドを愛用することに。
一応紹介(センタースタンドが付かないような形状なら?)
自転車愛好者たちには「ワークスタンド」などがある
選び方とオススメ品まとめ
まあまあ揃えられるならこういうガジェットアイテムが最も効率的で確実であります。勿論少し高価なのでそこは各自のご判断にお任せ。
素で欲しいけどアームの置き場所がない(素で自滅)
さらなるプロ的には「専用リペアスタンド」などがある
プロショップ用(ガチ)
サイクルベースあさひを越えたい人向け
使う工具
六角レンチ
大体は4ミリ。あるいは2ミリなど。
4ミリはワイヤー留め箇所。2ミリはボルト調整箇所。とはいえやはりそこはディレイラーのモノによって異なるかもしれないのでいくらか揃えておくのが便利。
プラスドライバー
8速以下の変速機あたりでよく使うでしょう。
ディレイラーのガイド位置調整をする際にクルクルと回す用途にめっさ使用。というか自転車いじり全般に猛威を発揮する必須工具である。(変速機によっては精密ドライバーの方がベスト)
あとは自分のお手手だけ!
変速調整の手順と仕組み
- リアディレーラーの位置調整(さきにやる)
- シフトワイヤーの調整(あとでやる)
さあさあ、
変速調整。
これが完了してようやく一人前。やってる間に1速やら10速やら右に寄らすのか左に寄らすのかなんだかよくわっからなくなってしまうけれど、ちゃんと変速機(リアディレイラー)の動きと仕組みを理解してればダイジョーブである。
※それに外装変速機はなにかの拍子に変速具合がオカシクなってくることもあるだろうし、そんなときに自分でセルフメンテンナンスするためにも大事な知識だ!
メカニック顔でやりましょう(絶対)
各所のネジを締めるだけだったり。
ディレイラーハンガーとディレイラー本体をつなぐ六角ネジをちゃんと締め直すだけで変速調整が終了することもあります。(緩んでいると微妙にブレてチェーンがギアから外れたりかかったり不安定になってガチャガチャする)
割とよくありますから常にアーレンキーを持ち歩こう(迫力)
それでは
変速機(RD)の調整手順
リアディレイラーの位置調整編
- トップアジャストボルト調整(最小トップギア位置)
- ローアジャストボルト調整(最大ローギア位置)
- エンドアジャストボルト調整(上下位置)
最大ギアと最小ギアにチェーンがかかるようにする調整
※【アジャストボルトの位置について】…各ボルトの位置は変速機(リアディレイラー)によって異なることがある。このブログで紹介しているような各種変速機については公式サイトの説明書などから確認できるだろうけど、そうでない場合には「実際に回してみて動きを確かめる」ことでなんとか乗り切りましょう
この記事では最近増えたシャドウディレイラーの画だよ!(6速7速のターニーグレード、通常種、シャドウディレイラーで若干異なるも基本は同じ)
シフトワイヤー(インナーケーブル)を締めているにせよ仮止めにせよ留めているとガイドが動かない。だからまずはディレイラー(変速機)の位置調整を先に行う。ワイヤーによって変速機の可動が制御されているのだから、ワイヤーがセットされていると動かせない。(抜かなくてよいので固定だけ外す)
※新しい「変速機の交換」や「シフトケーブルの交換」をするにせよ、まずはディレイラーの位置調整から。
とにかく最初に行う
リアディレイラーが変速できなくなった場合、
最も効果あるのがその位置を再調整することではなかろうか。
トップアジャストボルトで最ソト位置の調整
このトップネジを、
右に回すとガイドが内側に動く。
左に回すと外側に動く。
最小トップギアにチェーンを掛けて行う
カチャン!っと最小ギアに落としましょう(手で)
ちゃんと最小トップギアにガイドが動くようになった
トップアジャストボルトの調整・公式図
シャドウディレイラーなら
※最近のロードバイクはシャドウディレイラーが多いのでは?
参考・「販売店用マニュアルPDF/(モデル・RD-M6000-GS)」SHIMANO公式説明書
普通のディレイラーなら
※8速あたりのお手頃ロードバイクや、クロスバイクやマウンテンバイクの8速7速に多いと思われるのが普通のリアディレイラー形状かな
参考・「販売店用マニュアルPDF/(モデル・RD-4700-GS)」SHIMANO公式説明書
6速7速の下位グレードなら(ママチャリなど)
※下位グレードのターニーモデル(ママチャリやミニベロの6速に使われてる)
目的・トップギアの下に来れるようにする位置調整
トップギアは一番外側のギア
(アウターギア/~11S/~11速/~11段)
※目的は「1番重たいギア(アウターギア/1番外側/~11S)」の下にデイレイラーのガイドを位置させるため。
これでトップギア側の「最大可動域」をキメる
ローアジャストボルトで最ウチ位置の調整
このローネジを、
右に回すとガイドが外側に動く。
左に回すと内側に動く。
最大ローギアにチェーンを掛けて行う
スチャ!っと最大ギアに上げましょう(手で)
ちゃんと最大ローギアにガイドが動くようになった
ローアジャストボルトの調整・公式図
シャドウディレイラーなら
※最近のロードバイクはシャドウディレイラーが多いのでは?
参考・「販売店用マニュアルPDF/(モデル・RD-M6000-GS)」SHIMANO公式説明書
普通のディレイラーなら
※8速あたりのお手頃ロードバイクや、クロスバイクやマウンテンバイクの8速7速に多いと思われるのが普通のリアディレイラー形状かな
参考・「販売店用マニュアルPDF/(モデル・RD-4700-GS)」SHIMANO公式説明書
6速7速の下位グレードなら(ママチャリなど)
※下位グレードのターニーモデル(ママチャリやミニベロの6速に使われてる)
目的・ローギアの下に来れるようにする位置調整
ローギアは一番内側のギア
(インナーギア/1S/1速/1段)
※目的は「1番軽いギア(インナーギア(?)/1番内側/1S)」の下にデイレイラーのガイドを位置させるため。
これでローギア側の「最大可動域」をキメる
エンドアジャストボルトで上下の調整
このエンドネジを、
右に回すとガイドが下に動く。
左に回すと上に動く。
ギアとディレイラーがぶつからないようになった
エンドアジャストボルトの調整・公式図
参考・「販売店用マニュアルPDF/(モデル・RD-M6000-GS)」SHIMANO公式説明書
※ギアとプーリー(歯車)の間は5,6ミリあれば良いみたい(ただし42T以上のギアを持っているようなスプロケを使う場合には8,9ミリのスペースが必要みたい。11速ギアなら46Tなどがあるからね。)
目的・ギアにディレイラーが当たらないようにする位置調整
※やはりギアの変速段数が多いと、ディレーラーの可動位置も広くなってあちこちに接触する率も高まるみたいで、このようなワイドレシオ系のギアをガイドするディレーラーとなると上下の調整まで必要になってる様子
※当たるとチャラチャラと音が鳴るから判るし、そういった異音がしたのなら、このエンドアジャストボルトで調整してあげれば良いね
ギア段数が増えてくるとこんな上下調整も必要になる
ディレイラーを動かしながらペダルも回していれば「アタリ」が出る。
この時点ではワイヤーをセットしなくてOK。チェーンを掛けた状態でペダルを回しつつ、ディレイラーのアジャストボルトを回していればお目当ての段に切り替わるのが分かり、それ以上余計に位置を動かすことがなくなる。
例えば、最小トップギアにかかればそれ以上外側に寄せる必要などないから
つまりこういうこと。
動画の威力たるや一発
シフトワイヤーの調整編
- まず1番重いトップギアに入れておく
- シフトワイヤーを締めて完了
この最終調整を経て変速調整も完了します
まず1番重いトップギアに入れておく(10Sなら10Sに)
※6速なら6に。8速なら8に。10速なら10に。これが「最もワイヤーが伸びる状態」なので、この状態にて「ワイヤー全体の引き代をセッティング」してしまう。
チェーンもトップギアに掛ける(10Sなら10Sに)
※6速なら6に。8速なら8に。10速なら10に。手元のシフターとインナーケーブルの引き代をセッティングするわけだからギア側もそれに合わせておくのが道理。ここで仮に1速に入れてワイヤーを絞ると1段も変速できないだろう。
「トップギア」という最小ギア
とにかく「最大長」にして調整すること。
8速なら8に。10速なら10に。
ダメな例「アウターが外れてる」
アウターはしっかり入れ込んでおく。
ダメな例「1速にしちゃってる」
最も重い段数にしましょう。
1速にして入れ込んでも、カチカチとトップギアへ変速していくほど緩んでいくからね。
~11速はトップギアで重い段!1速に向かって段数が減るほど軽くなる!
ディレイラー側にワイヤーをセットし、仮止め
「アウターホルダー」を通す
「ワイヤー留めボルト」を通す
その箇所を六角レンチで軽く締めて仮止め
※こうしてそこそこ「キュっ」とだけ仮止めしておこう(あくまで全調整が終わるまでの仮止めなので、ワイヤーを潰さないように!変速したときにワイヤーが動かない程度にロックされていればそれでOK!)
アウターホルダー
変速機のデザインにも幾つかパターンはあるも(7速や10速などもそうだし、シャドーディレイラーなどでも異なる様子)、「アウターホルダー」と「ワイヤー留めナット」を通して六角レンチで締めるというキホンは同じ。
ワイヤー留めボルト(ナット)
※この六角レンチで締める「ワイヤー留め(固定ボルト)」の箇所は注意!シフトワイヤー(インナーケーブル)を通す際にあまり緩めて開けすぎるとパーツがバラけてしまうので、「最低限あける」程度にとどめておきたい。
まとめ・「ワイヤー留め箇所」は慎重に開けましょう
変速がちゃんと効いていれば、本締めして調整完了
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基本的には六角レンチで締めるだけ
トップギア側(最小ギアにかけ、長めにセット)
※見た目的にワイヤーが長めに見えるだけであって、その段数に合ったところで締めよう!
ローギア側(最大ギアにかけ、短めにセット)
※見た目的にワイヤーが短めに見えるだけであって、その段数に合ったところで締めよう!
ここで行うワイヤーの固定を「どの程度の位置で締めるのか」はまさしく微調整。
ディレーラーの位置自体はこの時点ではまだ手で動かせる。そうしてトップギアやローギアのときのガイド位置を手で動かしてやり、ベストな位置がきたらそこでワイヤーを締めるのが良いとしか、理論上では言えない。(更に理論上では1段1段の微調整が必要かもしれない)
↑の図のように、チェーンの位置が左右にずれるとギアの掛け変わりがスムーズでなくなったり変速自体できないので、できるだけ正確な位置にてワイヤーを締めたい。
最後はワイヤーをカットし、バナナキャップを圧着させて終了
これにて
ロードバイクやクロスバイクに使われる外装変速機の変速調整を終わります。