ロードバイク系統の自転車で用いられる、
「一体型クランク(ホローテックⅡBB用)」
という高回転な前ギア(チェーンホイール)の交換。
だいたいロードバイクのBBは世界的覇権メーカー「シマノ」のクランクでしょう!
※【9段変速以上のロードバイクが対象になるかと。】…それ以下である低価格な8速ロードバイク等だとホローテックBBじゃないと思われるので(クラリスの8速にホローテックBB用クランクを確認)、その場合は「四角シャフトのクランク交換記事」へGOしてね。
※【カンパニョーロ製品について】…ロードバイクになると本場イタリアの老舗であるこの名のブランドが用いられることもある世界ですが、とりあえず除外して考えます。シマノは世界基準みたいだからね。
※【免責】…先日、10速ママチャリのホローテックBB化したのでそのやり方を備忘録がてらロードバイク整備記事として転用しております。画像はロードバイク感ないやもしれませんがどうぞご了承ください。いちおうメンテナンス本も読んでメンテしてるからそんなに間違いはないと思うけれど。
ロードバイク系の前クランクを選ぶ
ホローテックBB用のクランクとは?
『一体型のクランク』
(ホローテックBB用のクランク)
※BBの中を通って「回転する軸」と、前ギアとなるチェーンホイール及びクランクアームが一体化したクランクのことで、シマノ製の「ホローテックBB(HOLLOWTECH II)」と共に「中位から上位のロードバイク」で用いられる。中空クランクとも?
9速以上のロードバイクではこのクランクでしょう!
使う一体化クランクの比較
- 「歯数(ギア比)」について
- 「クランクの長さ」について
「歯数(ギア比)」について
「前後のギアの組み合わせ」でギア比が決まる。
※前ギアの場合は「大きいと重く高速ギア比に強い」「小さいと軽く低速ギア比に便利」という具合。そしてロードバイクの前ギアは2枚が基本なので「外側の大径ギアをアウターギア」「内側の小径ギアをインナーギア」と呼ぶね。
※「50x34T」なら「アウターギアが50歯」で「インナーギアが34歯」ということね。(Tはトゥースの頭文字で歯の意味)ちなみに34Tはママチャリの前ギアの歯数と同じ。
※とにかく可能な限り高速巡航にしたいなら歯数の大きなモノを選んだりするわけだけど、回らなければパワーロスするだけだし、結局は自分の脚力と後ろのギアとの兼ね合いなので、いろいろ使ってみないと適正はわからないところなのではないでしょうか?
「前ギアはデカイほど高速巡航」と覚えよう!
「クランクの長さ」について
160mmや170mmなど。
※サドルを上げても足が長い人は適正に漕げないから長くするのかな(?)あるいはその他のフレーム構造からサドルを上げすぎるとバランス崩れる際などにクランク長くして対応するのやも(?)とにかく一種の沼案件ですな。
※なににせよ規格ではないのでパーツ合わせには問題ないでしょう
脚が長い人は175mmとか短い人は165mmとか?
各スピード別の前ギアラインナップ
例えば10段変速なら、10速対応のクランクがある。
※体験上では合わせなくても動いたのだけど(ママチャリ改造してるから)、ロードバイクに乗るのならば推奨仕様のほうがよいでしょう。
※各グレードごとに「50T×34T」や「52T×36T」など歯数のパターンがあるから求めるギア比で探してみましょう
8速に合わせる用
CLARIS(クラリス)グレードから
FC-R2000
参考・「CLARIS R2000(FC-R2000)/シマノ製品」公式サイト
9速に合わせる用のクランク
SORA(ソラ)グレードから
FC-R3000
シマノ クランクセット FC-R3000 50×34T 170mm 9S BB別売 SORA(ソラ) EFCR3000CX04X
参考・「SORA R3000(FC-R3000)/シマノ製品」公式サイト
10速に合わせる用のクランク
TIAGRA(ティアグラ)グレードから
FC-4700
参考・「TIAGRA 4700(FC-4700)/シマノ製品」公式サイト
公式推奨BBは「BB-RS500」系
シェル幅68mm(JIS規格)
シェル幅70mm(イタリアン規格)
※一応、公式推奨BBはクラリスとソラとティアグラ共に「BB-RS500」系と記載されている
圧入式のプレスフィットBB用
※圧入型プレスフィット型BBの公式推奨なら「BB-RS500-PB」系と記載されている
11速に合わせる用のクランク
旧型105・「105 R5800」シマノ公式
新型105・「105 R7000」シマノ公式
105(イチマルゴ)グレードから
FC-5800(旧型)
FC-R7000(新型)
公式推奨BBは「SM-BBR60」系
シェル幅68mm(JIS規格)
シェル幅70mm(イタリアン規格)
※一応、10速のアルテグラや105の公式推奨BBは「SM-BBR60」と記載されている
圧入式のプレスフィットBB用
※圧入型プレスフィット型BBの公式推奨なら「SM-BB72-41B」と記載されている
※さらなる「準上級グレードにアルテグラ」、「最上級グレードのデュラエース」と上り詰めることも可能!
ロードバイク系の前クランクを交換する手順
- はずす!「一体型クランク」を取り外す
- ※ホローテックBB周りのクリーニング
- つける!「一体型クランク」を取り付ける
使う工具
まずチェーンは外そう。
前だけ降ろしておけばよいでしょう。
※つまり切らなくてよし。後ろの変速機からも外す必要なし。
「専用の一体型クランク」を取り外す!
- まず左側のクランクアームから外す(※微細手順あり)
- (2本のボルトを均等に緩める)
- (留めキャップを緩めて外す)
- (脱落防止プレートを上に外す)
- (クランクアームを引き抜く)
- つぎに右側のチェーンホイールを外す(※樹脂ハンマを使うかも)
まず左側のクランクアームから外す
とりはずし手順
(2本のボルトを均等に緩める)
(留めキャップを緩めて外す※専用工具)
※クランクキャップを回すための専用工具を装着
※正ネジなので普通に反時計回しで外れる(←左回し)
(脱落防止プレートを上に外す)
(クランクを引き抜く)
とりはずし完了(左舷クランクアーム)
つぎに「右側のチェーンホイール」を外す
手順
クランクと回転軸を引き抜く
※ここですんなり引き抜けない場合は「樹脂製ハンマー(ゴム製でも)」などでもって優しくコンコンと押し出す。(要はクランクの回転軸を傷めないように)飛び出しているシャフト軸をね。
とりはずし完了(右舷チェーンホイールとシャフト)
※ホローテックBB周りのクリーニング
準備中
「専用の一体型クランク」を取り付ける!
- これもまず右側のチェーンホイールから入れる(※樹脂ハンマを使うかも)
- つぎに左側のクランクアームを取り付ける(※微細手順あり)
- (穴を向ける)
- (クランクアームを穴に合わせて取り付ける)
- (留めキャップを付ける)
- (脱落防止プレートを下に落とす)
- (2本のボルトを均等に締める)
これもまず「右側のチェーンホイール」から入れる
次に「左側のクランクアーム」を取り付ける
とりつけ手順
(穴を向ける)
(クランクアームを穴に合わせて取り付ける)
※しっかり奥まで入れ込みましょう
※こうしてちゃんと「クランク軸(中空クランク?)の長さ」が出ていないと、左クランクの入りが甘くなって外れやすくなる。どころかネジ山をなめて壊れてしまうから気をつけたい。(脱落防止プレートもかからない)ギア側をコンコンと手で押し入れて、軸がちゃんと出ていることを確認してから作業を進めよう。
※ちなみにこの穴の向きに脱落防止プレートを合わせると、左右のクランクがちょうど対角線上に並ぶようになる位置。時計の針で言うと9時3時とか。この状態でないとペダルは効率よく回らない。(9時2時くらいなら回りはするだろうけど)
(留めキャップを付けて締める)※専用工具
※クランクキャップを装着
※クランクキャップを回すための専用工具を装着
※これでそれなりに仮固定するよ
※正ネジなので普通に時計回しで締まる(→右回し)
※正確にトルクレンチ使うなら、締め付けトルクは「0.7 - 1.5 N·m(ニュートンメートル)」の強さだとか(体感ではギュっギュッと締まるくらいでいいでしょう笑 というかこの箇所トルクレンチ使えるの?)
参考・「ディーラーマニュアル/HOLLOWTECH II/2ピースクランクセット (15ページ)」シマノ公式 より
(脱落防止プレートを下に落とす)
※脱落防止プレート装着
※脱落防止プレートの突起部が、クランク軸の穴に収まる(ここまで左クランクが入らないと、そもそもプレートが穴にかからないから注意)
※実際にロック機能を果たしてるのはネジにフックされてるプレート自体(突起は目安?)
2本のボルトを均等に締める(5ミリ六角レンチ)
※できるだけ左右均等に締めていこう(先に一方だけを締めすぎない)一方をしめると他方が緩む点もあるので、2点同時にしめるとラクかも。
※正確にトルクレンチ使うなら、締め付けトルクは「12 - 14 N·m(ニュートンメートル)」の強さだとか(体感ではギュっギュッと締まるくらいでいいでしょう笑)
参考・「ディーラーマニュアル/HOLLOWTECH II/2ピースクランクセット (16ページ)」シマノ公式 より
とりつけ完了(左舷のクランクアーム)
※締めが付けトルクが弱いと、何度か漕いでいるうちに緩んでくるので注意。(締め過ぎも怖いけど)定期的に六角ナットの緩みをチェックするのが好ましいし、ガタついてくるなら増し締めできるように、念のために走行中もアーレンキーを帯同させておくのがよいでしょう。
仕上げにチェーンを乗せればOK。
とりあえずはこんなところでおねがいします。
m(_ _)m