クロスバイクやマウンテンバイクやミニベロなどの、
スポーツ自転車系BBを交換整備するやり方です。
※パキパキと異音がするときなどにも洗浄クリーニングだけで治るよ(こともある)
使うBB(ボトムブラケット)を選ぶ
「カートリッジBB」とは?
クロスバイクやマウンテンバイク(MTB)によく使われる「回転軸(BB/ボトムブラケット)」のこと。ママチャリ(折りたたみ自転車にも?)などで使われている「カップアンドコーンBB」と異なり備品がスッキリしている。比べてセッティングも容易で安定しているとか(?)スポーツ系統のミニベロならこのタイプが使われているのかな(?)
※カップアンドコーンBBもカートリッジBBも互換性がある
※よく回るホローテックBBへの改造も可能だが、その場合はクランクも換える
なににせよキホンは「スポーツ自転車で使われる」普通のBB!(ロードバイクでも8速以下の安いものならこのタイプかも?)
使うBBの比較

クランク外すとこんな感じ
- 「サイズ(シェル幅)」について
- 「軸長」について
- 「形状」について
「サイズ(シェル幅)」について
68mm(JIS規格)
わりと基本的なサイズ。いわゆるJIS規格ということでほとんどの自転車ではこの規格。クロスバイクもママチャリもミニベロもマウンテンバイクも基本このサイズ。
70mm(イタリアン)
イタリアンサイズとも。ロードバイク発祥の欧州製自転車なら多いのやも。本来BBは漕いでいる際にネジが外れないように右舷側に逆ネジが用いられるが、右舷側のネジも「順ネジ」だとか。(正ネジとも)つまり普通の向き。というかロードバイクくらいにしかないかも。そして68ミリと2ミリの違いしかないのでよほど正確に測らないとわからないのではないか(?)右が順ネジであることこそが特徴。
73mm(オーバーサイズ)
オーバーサイズとも。マウンテンバイクなどに73mmが多い。「というかマウンテンバイクの規格なのでは?」と思うことなかれ、例えばセンチュリオンのクロスバイクではこのサイズが有るなど、一概には言えない模様。
だいたい「クロスバイクやミニベロなら68mm、マウンテンバイクなら73mmもありうる」くらいの2択が改造のスリル!
「軸長」について
※基本は「クランク(前ギア/チェーンホイール)」との「兼ね合いで決まる」らしい(つまりクランクごとに指定長がある)
※「D-NL」と「LL123」なる2種類があるとしたら後者のほうが少し長いみたい。122.5mmというより123mmみたいな。(よく使われる「アルタスクランク(FC-M311)」の適合が正確には123mmということなのでこちらをチョイス)
※あまり気にしません!(いろいろと)
「形状」について
- 四角テーパー(スクエア)
- オクタリンク
四角テーパ(スクエア)
一般的な形状。四角形のシャフト(回転軸)を持つ。(ゆえに四角形の穴を持つクランク(前ギア/チェーンホイール)としか合わない)
この記事で取り扱うカートリッジBBとはこのタイプのみ!(いまのところ)
「UN55」はアルミ製で耐久力が高いBB
新作UN300系・「シマノ(SHIMANO) ボトムブラケットBB-UN300-K チェーンケース対応, 68BSA, 122.5mm(D-NL) EBBUN300KB22X」
※UN55はアルミ製だからグリス塗りたくる
※現在は「UN300(アルミ製)」などの新シリーズがあるよね。
「UN100」は樹脂製で安価BB
※UN100は樹脂製だからグリス塗らなくて良い
※現在は「UN101」とかの新シリーズがあるよね。
「UN26」は右が鉄で左は樹脂プラの古株BB(?)
※UN26は右が鉄だからグリス塗る?左はプラだからグリス塗らなくて良い?
これらの「シマノBB三兄弟」が使いやすいでしょう
オクタリンク
BB本体
オクタリンク用の前クランク
オクタリンク用の工具
八角形ならぬ「8歯(溝とも)」で回る「強化版BB」がオクタリンク。どちらかといえばロードバイクや高級MTBのハイグレードなBBなのでは(?)ホローテックBBなどが誕生している現代では「むかしの規格」なのかな?でもアリビオであるならクロスでもあるのかね?
※元からついてる場合は取り外しの手間があるわけだけど、新しくオクタリンクに改造したいという場合には、コレまた専用のクランクが必要なので非推奨。そこまでの改造したいならホローテックBBにしたほうがよいでしょう。
※似た形状の「ISIS」という他社対抗規格は10歯らしい。ややこしい上に互換性もなしとか。
参考・「BB-ES300-K(マウンテンバイク系オクタBB)」シマノ公式
参考・「(17ページ)OCTALINKタイプ」シマノディーラーマニュアル(PDF)
参考・「FC-M4000(オクタBB用のクランクセット)」シマノ公式
参考・「(16ページ)OCTALINKタイプ」シマノディーラーマニュアル(PDF)
普通のクロスバイクや低価格マウンテンバイクでは使われてないかな?
カートリッジBBの交換と整備
- ※まずクランクを外す(前ギア/チェーンホイール)
- はずす!専用工具で回して元のBBを外す
- ※整備のための洗浄クリーニング(日頃の整備にも大事)
- つける!新しいカートリッジBBを入れる(整備したBBでも可)
- ※そしてクランクを取り付けて完成
※まずクランクを外す(前ギア/チェーンホイール)
クランクの交換も楽しいよ(真顔)
はずす!専用工具で回してBBを外す
- まずは左側から回して外す(正ネジ)
- つぎに右側を回して外す(※逆ネジだが、イタリアン規格は正ネジ)
使う専用工具
カートリッジBB回し工具
まずは左側のワンから回して外す(正ネジ)
左ワンは「正ネジ」(順ネジとも)
※反時計回しでゆるむ(左回し)
つぎに右側のBB本体を回して外す(※逆ネジだが、イタリアン規格は正ネジ)
右ワンは「逆ネジ」
※逆ネジのため、時計回し(右回し)でゆるむ
(ただしシェル幅70mmのイタリアン規格であった場合、正ネジなので左回しでゆるむ。確認方法としては、2ミリの違いなど余程正確にシェル幅測らない限り判断つかないだろうから、「欧州ブランドの自転車ならイタリアン規格を疑う」というぐらいしかわからないね笑)
ロードバイク以外ならほぼ確実に逆ネジでしょう
取り出されたボトムブラケット。

これは3年くらい備わって回っていたよ(樹脂ネジにグリス塗りたくられても目立った劣化や違和感はなし)
新品交換でも、
いちおう洗って保管するのもありかと。
※そもそも壊れているなら別だけど当たり前に
※整備のための洗浄クリーニング
- 「BBシェル内」のお掃除
- 「カートリッジBB」のお掃除
先日、マウンテンバイク乗ってたらどうもBB辺りがおかしくて「パキパキペキペキ」と異音がするのね。(クランクのボルトを締め付けることでも異音が確認できた)ほんで「亀裂(クラック)とか入ったんかな?」とBBを取り出してみても特に異常は見当たらず、砂利がいくらか絡まっていた程度。洗浄してグリス塗って再装填したら普通に治った。断定はできないけど、負荷かかるときに砂利に当たって異音がしていたのかね。ほんでそのままにすると亀裂が入ったりすると。まあBB自体は壊れても安いからよいけども、走行中に事故したりシェル内部が破損するのは困るから、こうしてクリーニング整備しておきたいね。
カートリッジBB車は整備もラクラクでほんと助かる(ママチャリはほんと面倒)
「BBシェル内」の洗浄クリーニング
※汚れの確認
手順
※汚れの確認
パーツクリーナーなどを吹いて洗浄
※こうした洗浄剤は「油汚れを落とす」という性能がある
※ナイならナイで水や湿ったウェットティッシュなどでもいいでしょう
おすすめ愛用品・「KURE(呉工業) 高浸透パーツクリーナー (420ml) E-3020-11J」
ナイロンブラシなどで優しくゴシゴシ掃除する
※硬い素材で強くこするとネジ山が傷つくだろうから気をつけましょう(実体験としてナイロンブラシで十分)
おすすめ愛用品・「ナイロンブラシ 3本セット【お得】 / SUN UP ハンディーブラシ 先曲り 塩ビ」
水分などと一緒に汚れを拭き取る
※水分を残すと錆びる可能性あるからね(アルミなら大丈夫なのかな?)
※また水分があるとグリスがうまく乗らないでしょう
シェル内部のネジ山に「グリスを塗布」する
※キホンは少量で良いらしい
「カートリッジBB」の洗浄クリーニング
※汚れの確認
手順
※汚れの確認
パーツクリーナーなどを吹いて洗浄
※こうした洗浄剤は「油汚れを落とす」という性能がある
※ナイならナイで水や湿ったウェットティッシュなどでもいいでしょう
ナイロンブラシなどで「各所」を優しくゴシゴシする
※硬い素材で強くこするとネジ山が傷つくだろうから気をつけましょう(実体験としてナイロンブラシで十分)
水分などと一緒に汚れを拭き取る
※水分を残すと錆びる可能性あるからね(アルミなら大丈夫なのかな?)
※また水分があるとグリスがうまく乗らないでしょう
※左ワンの備品の取り扱いについて
※小さいリングをワン内に上向きかと(おそらく)
※BBにグリスを塗布する際の注意点!
※樹脂プラ箇所にグリスを塗ると劣化させるようなので気をつけよう!アルミなど金属箇所なら塗りたくってOK!
※基本的には左右のワンのネジ山に塗る
BBとシェル内のクリーニング整備だけでも調子が良くなるよ!
つける!新しいカートリッジBBを入れる
- まず右側からBB本体を回し入れる(※逆ネジだが、イタリアン規格は順ネジ)
- つぎに左側のワンを回し入れる(順ネジ)
まず右側からBB本体を回し入れる(※逆ネジだが、イタリアン規格は順ネジ)
右ワンは「逆ネジ」
※逆ネジのため、反時計回し(左回し)でしまる
(ただしシェル幅70mmのイタリアン規格であった場合、正ネジなので右回しでしまる)
手順
「L」と「R」の向きを確認し、シェル内に入れる
まずは手で回していく(逆ネジ)
※正しくネジが回るように正確に回し入れよう
ある程度入ったら、カートリッジBB工具で回し入れていく(逆ネジ)
※逆ネジだから反時計回し(左回し)で入れていく
※正確にトルクレンチ使うなら、締め付けトルクは「50 - 70 N·m(ニュートンメートル)」の強さだとか(体感ではギュっギュッと締まるくらいでいいでしょう笑)
参考・「ディーラーマニュアル/HOLLOWTECH II/2ピースクランクセット (18ページ)」シマノ公式 より
右側からのBB装着を完了
つぎに左側のワンを回し入れる(正ネジ)

※この画像ではワン内のリングの向きが逆だと思われるので注意!
左ワンは「正ネジ」(順ネジとも)
※時計回しでしまる(右回し)
手順
左ワンを取り付ける
まずは手で回していく(正ネジ)
※正しくネジが回るように正確に回し入れよう
ある程度入ったら、カートリッジBB工具で回していく(正ネジ)
※正ネジなので時計回し(右回し)で締まる
※正確にトルクレンチ使うなら、締め付けトルクは「50 - 70 N·m(ニュートンメートル)」の強さだとか(体感ではギュっギュッと締まるくらいでいいでしょう笑)
参考・「ディーラーマニュアル/HOLLOWTECH II/2ピースクランクセット (18ページ)」シマノ公式 より
左側のBB装着を完了
※ネジ山が全て入らなくてもOK。(だと思う)そこそこ回してこれ以上入らないという手応えになるまで入れておけばOK。(体験上もこの状態で3年乗っていたけど問題は生じなかったよ)
※そしてクランクを取り付けて完成
ありがとうございました(真顔)
なぜこんなことをしているのか
時々問いかけることがあります。
(真顔)