
熱き日のミントジュレップ物語
その日は熱かった。
灼熱のような時間だった。
27年間におけるとても熱い日だった。
オレは兄貴から受け継いだ通学用自転車を漕いで、
200キロの道のりをせっせと漕いで、
最愛の愛馬の忘れ形見が走る府中競馬場まで行ってきた。
27度目の夏。
当初は出費を抑えるために企画したチャリ旅であったものの、
熱視線の打ち付けるパンパンのコンクリートロードを走るには水の欲求に応えねばならず、
結果、
水超飲むということになった。
ただでさえチャリカスタム費もかさんだというのに、
この上水分補給代までバカにならないとなれば自ずと自制が働くのも無理のないことであった。
「まだこんなところで貯金を使い果たす訳にはいかない……」
だがそもそもこんな楽しい、
そしてもうこれから一生あるかないかという「テンションの上がる日本ダービー」に際して、
撮影カメラすら新調できないでいた。
結果、欲しい画は撮れず、動画作成もお蔵入りとなった。
碓氷峠のダウンヒル動画はすべてペダルしか映っていなかった。
レース場の我が想い出の継承馬ドゥラメンテの雄姿もまったく収められないのだ。
もうこんなダービーは二度とないのに。
そして骨折してしまった今、秋のジャパンカップも天皇賞もないし、2016年復帰では…もう…。
競馬場につくと喉の渇きが襲ってくる。
無料の飲料水を紙コップに注げる場所をオアシスとしてなんとかしのいだ。
毎回毎回並んで取らなければならない。
ときには熱いお茶の列に並ぶこともあった。
ウーロン茶も買った。
なんで東京まで来てウーロン茶を飲まなければいけないのだろう。
そんな中「東京競馬場きた感」を得られそうなシロモノと遭遇。
そう、ミントジュレップである。
ジュレップが何なのかすらわからないが、
ミントという響きからなんとも清涼感漂う飲み物であることが伺える。
必然、飲みほしたい衝動にかられる。「ゴキュリ…ゴキュリ…」と。
だが買えなかった。
700円位した。
私はバカだった。
暑さのせいで頭がおかしかった。
こんな時くらい買って飲めばよかったのだから。
日本ダービーは我が愛しのドゥラメンテが勝った。
強かった。感動した。泣いた。
単勝は1,9倍。
1000円買っていた私は900円の利益。
ドゥラメンテが「ミントジュレップを買え」と言ってるのが聞こえた。
私は探した。
ミントジュレップを探した。
赤い車を、
クレープ屋みたいなシトロエン車みたいなやつを。
だがもう閉まっていた。
これがミントジュレップ物語。
ひいては「府中にチャリで逝っちゃおう」の完全版のオチである。
ニートはバチバチに金が無い。
これは運命だ。
ニートとはこういうことであり、 それを続けるということもこういうことなのだ。 ニートは収入がないのだ。
基本は。
世の中に出ている「ニート」なんていうのはニートなんかじゃあない。
稼げるからニート的でいられるだけの道化たちだ。
親にお小遣いをもらうことが出来るようなタフなニートはいねえ。
それはプータローという活発な古代種。
ニュータイプはそんな恥ずかしいことはできねえ。
結局一緒でもね。
家に居るなら。
これがニートの憂鬱である。
そしてニートの日常であり生活である。
「どうせなにもできないなら家にいよう」
まとめ
働いていないから金が無いという至極自然なことだね。
引用
「お金がないニートが就活軍資金を稼ぐには」
ご参考までに。自販機設置場所探し……自販機設置場所探し?自販機の設置場所ってそうやって探されていたの? ……自販機設置場所探し?
おまけ
