自国開催による異例の金メダルラッシュは記念的。
アクセスマップ「五輪オリンピック跡地」(長野県長野市~千曲市)
長野が世界の中心になった奇跡の日々、
『長野オリンピック跡地』を観に行く。
2020年東京オリンピック開催で盛り上がる中、
かつての聖地の現在の姿に迫る。
せっかくテーマが快活の象徴であるスポーツというのに、
あいにくの曇空で
輝きが失われたアラサー男子の躍動感の無さを象徴されたロケーションにてのロケと相成った。
しかも白馬のスキージャンプ台とかではないからね。
No.3地元マッピング「“スポーツの聖地” 長野オリンピックスタジアムとその遺跡たち」
最近はもう誰も観ていないことをいいことに気を抜いて自撮りに興じていたらアイドルのイメージビデオみたいなシーンが多々存在するはめに。ああいう感じでキャッキャッしてればいいよね。女の子はいいよね。
※「数限りある中の」オリンピックである。
長野オリンピック開催跡地アクセス
オリンピア大祭(古代オリンピック)
全裸のスポーツマンシップに則って開催された。
平和的交流
4年に一度のスポーツの祭典オリンピックは古代ギリシャ時代から行なわれていた。それは競技を通じて心身の健康と人間としての健全性、そして何より「戦いに明け暮れるギリシャ諸国同士の平和的交流のため」という現代オリンピックと重なる精神のもと発展していたのだ。あれだけ殺伐としていただろう時代にあっても、この開催期間において相手を死に至らしめてしまった場合には栄光は与えられなかったという。ローマとはえらい違いやな。
4大大祭のひとつでゼウスに捧げる『オリンピア大祭』が元。
これらの競技大会はいくつか行なわれていたが、中でも主神ゼウスに捧げるオリンピア競技大会が今のオリンピックの元といえるようだ。名前的に。「オリュンポスの神々に捧げるから」と言うか「オリンピアという地名」ということでこの名前らしい。結局同じことだけど。
“史上最高のダークヒーロー”アキレウスが亡き友のために開いたものが起源とされる※諸説あり!
「こんな思いをするのなら生まれてきたくはなかった!!!!!!!!!!」
というセリフで有名なアキレスの友愛。後の獅子王アレクサンドロスもヘパイスティオンを失った際に
「うおおおおおお!!!!!アキレウスの気持ちがわかるぞ!!!!!!!」
というセリフで被せに来たほどの。
五種競技(ペンタスロン)
この頃から存在した代表的かつ伝統的な競技が陸上5種競技。
スタディオン走(短距離走)
「陸上の花型種目」とされる短距離走。
“陸上の神”カール・ルイスやらウサイン“サンダー”ボルトなどのスター選手を生んできた。ドーピング問題とも切っても切れない世界ではあるけれど。だから純粋に昔の金メダリストだからといって安易には名前を出せないというよくわからない刹那的栄光の場となってるけども。
短距離走は一番シンプルでわかりやすい対決形式だからおもしろい。
そのわかりやすい「駆けっこ」スタイルで一番を決めるだけというのがなんともいいじゃないか。07年の世界陸上ではちょっと注目して観ていて、タイソン・ゲイの三冠に注目していた記憶が薄っすらと残っているぞ。
「9秒58」ウサイン・ボルト(2016年現在)
走り幅跳び
「かつて不落城と恐れられた城の城壁を登って城壁の間を飛び回った」
ことに因んでとかの伝説からは始まらないけど何でか始められた「走り幅跳び」。なんでかあまり話題にはならない走り幅跳びのスターたちではあるが伝統ある競技である。トップ選手たちの飛び方を見るとありえないくらい跳んでるよね。
「あんなに人って跳べるんか。」
ってくらい飛ぶやん。全然有名になってくれないけど。ゴール前での白熱したデッドヒート模様がないから映像的に盛り上がりづらいのかもしれないね。
「8m95」マイク・パウエル(2016年現在)
・「走り幅跳び」wiki
円盤投げ
なんでか円盤を投げることにしたらしい古代人たち。砲丸投げのほうがまだしもイメージしやすいのに対して(古代に大砲はないけど)、「なんで円盤?」と思ってしまうがとにかく円盤を投げたのだ。
そして今も投げている。
日が昇っては沈むように、波が寄せては返すように、それは当たり前に。
「74m08」※2kgの円盤 ユルゲン・シュルト (2016年現在)
・「円盤投げ」wiki
やり投げ
対してこちらは順当にイメージが可能な「やり投げ」である。戦に狩りに大活躍であっただろう槍を、投げる、という単純明快な競技である。現代では「なんで槍を?」となってしまうが古代から見るとむしろ順当である。
「もっとも遠くへ!力強く!この槍を放った者が真の勇者じゃ!!!!!」
みたいなことになっているのが手に取るようにしてわかるよね。
「98m48」ヤン・ゼレズニー (2016年現在)
・「やり投げ」wiki
レスリング
こちらはザ・オリンピック的なイメージも抱かれる人と人とのピュアな組合い。
スポーツの話ですよ。人類史上2番めと言っても良い程のピュアな取っ組み合いこそレスリングではないでしょうか。あと相撲。近代では“霊長類最強の男”アレクサンダー・カレリンや、同じく“霊長類最強女子”吉田沙保里などのスターが誕生した。
グレコローマンスタイル・レスリング
古代のレスリングはパンクラチオンだと思っていたけど、それは格闘術として敵を殺すほどの術であり、レスリングは純粋に競技用ということで古代からそのままあるらしい。すなわち「グレコローマンスタイル」。「ギリシャとローマの」という意味。腰から下を対象にしてはいけないとか。
フリースタイル・レスリング
コチラは膝下タックルなんかが有名なスタイルか。打撃以外は割と何でもあり系。スポーツの話。
オリンピック種目存続問題
2020年の夏季オリンピックからこの伝統あるレスリングが除外対象にされてしまった事件。すでに中核競技(確実に行われる競技)からは外され、しかし対策案などが提出された結果に最後の最後で2期ほど延長したとか。そもそもなんで外される対象になったのかはよくわからない。複雑。そもそもの祭典の仕方や試合進行の仕方に不公平があったとか無かったとかそういったことみたい。野球も無くなったし。困るわな~日本の強いとこどんどん削られるやんかな~。
「男子」オリンピック最重量級3連覇/アレクサンダー・カレリン
「女子」オリンピック55キロ級3連覇/吉田沙保里
(2016年現在)
しかしこの交流の灯火も、
時代の趨勢とともに消えていくのであった。
その名誉と報奨によって引き起こされる不正の数々。
時の支配者によるインチキ行為の数々。
極めつけは神が支配したキリスト時代によって、
それまでのギリシャ、
そしてその文化を踏襲したローマの祭典は消し去られてしまったのであった。
近代オリンピック -1896年第一回五輪-
1896年にギリシャはアテネで第一回が開催された。「スポーツっていいよねっ!!体を動かすっていいよねっ!!!!」というフランスの男爵によってオリンピックは復活されたとかどうとか。
「自己を知る、自己を律する、自己に打ち克つ、これこそがアスリートの義務であり、最も大切なことである」
“近代オリンピックの父”ピエール・ド・クーベルタン
聖火 -オリンピアキ・フロガ-
人が“火”を手にした記念
聖火リレーは有名ですけれども、これはプロメテウスという神がゼウスから「火を盗んで人間に伝えた」ことを記念して古代オリンピック時から灯されていたという。しかし「盗み」から始まるとはなかなか「人の世」ってかんじ。火がないと人間は困るけど。すなわち文明の証。「オレたち発展したなあ」的な象徴か。現代なら電気か。「オレたちだいぶエレったなあ」
太陽光から灯される聖火。
ギリシャの母神ヘラ神殿跡にて、太陽光の熱を1点に集める凸面鏡を使ってトーチに火を灯すという非常にロマンティックなスタイルが採用されている。1928年のアムステルダムオリンピックの近代第10回五輪から再開されて今に至っているとか。
夏季
陸上、競泳、体操、柔道などなど。
冬季
スケート、フィギアスケート、スキージャンプなどなど。
買っちゃいなよ
( ´∀`)bグッ!
日本のオリンピック開催地
1940 東京-返上1964 東京
1972 札幌
1998 長野
2020 東京
なんと計4回の開催。
この開催数はアメリカの5回に次いで2位。
戦争時の返上がなければ1位。
しかし戦争による日本全土スクラップがなければ、飛躍的な経済成長としてのビルドもないため、その後の4回も無かった可能性もある。
皮肉なものよ。
夏季
冬季
長野オリンピック
ということで98年2月に長野県にてオリンピックが開催されていたというわけですよ。田舎田舎言われている山国が世界の中心になった瞬間、それがナガノオリンピックということですな。
「たしかに子供の頃そんな感じの盛り上がりとかあったわあ。」
というくらいの記憶しか無かった。そうだよね。長野のあの盛り上がりはオリンピックフィーバーだったんだよね。って最近思いついた。
マスコットは「スノーレッツ」
謎のフクロウ4人組。それがスノーレッツ。スッキー、ノッキー、レッキー、ツッキーとのこと。ノッキーが好きだったかも。それってどれだろう?
ノッキーの消しゴム持ってたような気がする。
スッキーだけ引くほど人気がなかったとか。それってどれだろう?後々にテコ入れされて結局4羽とも大人気で幕を閉じたとか。ホントだろうか?
♪WAになっておどろう
テーマソングが「WAになっておどろう」という名曲だったらしい。子供の頃、運動会か何やらでよく無理やり歌わされていたけどあれはこの五輪関係でのことだったのか。いい歌やけどね。
金メダリストたち -空前たる5つの金メダルラッシュ-
長野オリンピックメダル作成情報
・「漆の可能性を求めて」http://www.marumata-japan.com/olympicmedal.htm
金メダルといえば世界1位の証。
この大会で獲得された日本の金メダルは5つ。(5種目)2016年現在、日本としては後にも先にも類を見ないほどの数であるとか。その後はフィギアスケートの荒川静香と羽生結弦が金メダルを獲ったのみであるとか。
“日の丸飛行隊”スキージャンプ団体
あの吹雪く悪天候の中を世界の頂点まで飛んでいった
“伝説の98年日の丸飛行隊”
このとき学校で原田選手と同じ名字の子が居てなんでか盛り上げられていたのを思い出す。どういう儀式なんやろねああいう現象は。
「船木 和喜」スキージャンプ/ラージヒル個人
「船木だあああああ!!!!!!!」
「里谷 多英」スキー・フリースタイル/女子モーグル
「冬季五輪日本女子初の金メダル!!!!タエちゃん!!!!」
「清水 宏保」スケート・スピードスケート/男子500m
「馬の脚と比べられる清水のモモ筋。」
「西谷 岳文」スケート・ショートトラック/男子500m
「5つ目だよ。」
夢の跡地
建設ラッシュ×経済効果
オリンピック特需というのか「オリンピックはカネになる」ということで各地が必死で招致を行うわけである。地域活性化、観光収入、PR宣伝などなど、その場所が世界的に宣伝されるチャンスとばかりに。2020年東京五輪招致が記憶に新しいではないか。そして様々な競技を滞りなく行えるように会場の整備、建設が行われる。
長野オリンピックスタジアム
開会式閉会式のセレモニー場として、また一連の競技場を象徴する本丸として築かれたとか。日本の実質的な国花である「さくらの花びらをイメージしてデザインされた」というオリンピックスタジアム。
その後…「運動公園」や「野球会場」
南長野運動公園とか言っているね我々は。
全体として。従姉の家が近くにあるから子供の頃よく泊まりに行って、この運動公園にもそれなりには来た記憶が。とにかく広いから。子供を遊ばせるために家族がやってきたり、ジョギングやウォーキングをする女性やじいちゃんばあちゃん。買食いして部活帰りに青春をぶちまけている学生たち。そんな光景。
プロ野球や地方リーグ球団の本拠地?
夏になるとプロ野球の遠征試合が組まれて少しだけ賑わう。あるいは地元の球団「信濃グランセローズ」の本拠地っぽい雰囲気を醸しだしてはいるけれど。実施のところはよくわからない。
アクアウィング
長野オリンピックスタジアムから北上した長野市の運動公園隣の市街地に建設。アイスホッケーなどの会場だったという。アイスホッケーB会場。
その後…「市民プール」
妹が産後ダイエットをここで行っていたとかよ。水泳で。後に市が数億円をかけて氷を貼る設備を撤去。現在は市民プール。市民プールって何気に昨今の健康運動ブームにはいいよね。他にもトレーニング器具などもあるみたい。
ビッグハット
こちらもアイス関係の会場として建設。アイスホッケーA会場。「大きい帽子みたいな屋根」だからビッグハットか。後にはイベント会場のように使われているらしい。
その後…「イベント会場」
収容人数は5000人。東京ドームの10分の1以下のイベントにお手頃か。近くにデカいケーズデンキがあるからたまに見るなあ。あれがビッグハットだったんかあ。
エムウェーブ
こちらはスピードスケート用会場。「デザインは長野の山々をイメージしたらしいが、断面がMだったものだからエムウェーブ」の愛称に。
その後…「世界有数高速リンクとしてのスケート会場」
氷質の良さから世界有数のスピードリンクなんだとか。
基本的には国内スケート大会やイベントにおいてよく使用されている模様。
ホワイトリング
こちらもフィギアスケートやトラックスピードスケートにて使用されたとか。「屋根が真っ白なことからホワイトリング」である。学校のバスでやってきた際にみんなで「イカリング?(笑)」という問いをバスガイドさんに繰り返し投稿し続けていたのを思い出す。
その後…「体育館」
体育館となって新しい役割を送っているとか。
長野にもバスケットボールのチーム「信州ブレイヴウォリアーズ」が誕生したり、空手の流派「禅道会」が大会を開いていたりするのだろうか。と、ホーム感を出せる使われ方にひと安心。
建設ラッシュの後……
建設バブル
ご覧頂きましたとおり「オリンピック特需によって様々なハコモノが建設」されていったというわけでありました。それにともなって「道路を広げて交通状況の改善促進」「沿道の出店ラッシュ」といった具合に建設事業のいち大バブルが到来したとかしていないとか。
伯父さんの建設会社。
うちの父方の伯父さんは建設会社の社長さんであった。だから親父が店を出す際の土地の埋め立てやらコンクリ舗装やらも全部やってもらったそうだ。
そんな伯父さんの建設会社もこのオリンピック特需でウハウハ儲けたらしい。
儲けたところを目処にしてか社長引退。それで50の半ばにて隠居の生活。「オレはこうやって遊ぶために今まで働いてきたんだ」と号して母親と後妻を連れて温泉&別荘回り三昧であるという。完全合法ニートである。
しかし殆どの場合はこうはいかなかった。
「そんなにもう作るもんあらへんで。」リストラ現象
急激な需要によって作られた建設会社やそれに集められた従業員の大幅リストラの嵐が吹き荒れたという。
需要があるからと安易なコストで労働者をかき集めるわけである。労働者の方もそれと割りきった日雇い労働ならば特別の問題はないのだったが、
これを長期的なものと思い誤って作られた建設会社。
それに正規雇用で採用された社員たち。
なくなった建設の仕事。
それは悲しきオリンピック物語。
ぜんぶ親父から聞いた話。
親父もこの時期に国道沿いに店を出していたとさ。
「トイレを借りに来るだけの客がめっちゃいた。」という。
そうして店を任せていた男は雇われ店長のくせして店は従業員を多めに雇って運営し、
自分はパチンコ三昧だったとか。
売上が足りないからと親父に借りてった金は未だ返していないとか。
金を稼ぐってそういうことらしいよ。
コイツ等からしたら。
ぜんぶ親父から聞いた話。
しっかしオリンピック自体は好景気を呼びこむことも確かである。
「気分が良くなれば世の景気が良くなる。」
盛り上げて盛り上げて盛り上げて、
その後のリスクを補って余りあるほどの効果を生み出すしかなかろうて。
ジュブナイル
子供の頃は長期的な休みに入るとよく母方の伯母さんの家に預けられた。同い年の従姉がいるからよく遊んだ。
ローソンは異世界
夏休みってよく「特別な体験をする」みたいにアニメや映画でもよく使われる題材。異世界への扉を開いたりするやつ。大人が知らないところで子どもたちはなんかものっそいことを体験しとるというあれ。
オレの場合はこの従姉の家に来るってのがそんな感じだった。
夏休みも高学年になってくると普段の友だちと遊びっぱになったりしていたものだったけど、それよりまだ小さいくらいの頃はよくこっちに来て遊んだ。
南長野運動公園にも少しは来た。
普段の地元で普段の友達と遊ぶのはあくまでも「今までの日頃の延長線上」にある事が多い。いつもの友達と、いつもの場所で、いつもの遊びを、いつもとは違う朝から日が暮れるまでずーっと遊んでいられるというくらい。まあ中にはちょっと違ったこともあったかもしれないけど。
うちの近くにはセブン-イレブンしか無くて、従姉の家付近にはローソンしか無かった。
これだけでもぜんぜん違うよね。「からあげクン」とかないもんねセブンは。
こんなことでもぜんぜん違う環境なのだ。
生活習慣も違っていて、
起きるべき時間も(うちでは決まってない)、
家の掃除も(うちにはない)、
頻繁にレンタルビデオ店に行くってことも(うちはまるで行かない)、
ぜんぜん違ってた。
従姉と夕方から晩ごはんまでの時間にそこら辺を“冒険”するにもいつもとは違うマップだ。
なんでも新鮮で、どこでも楽しかった。田んぼも巨大な魚の住む沼だったし、そこに流れる用水路も何でも流してしまう滝だったし、暗い夜道は口裂け女が出るから「ポマードポマード」という呪文をいつでも言えるようにしておかなければならなかった。
帰ったらそれを肴に冒険譚を聞かせるか、
あるいは言うと怒られるからつねにヒミツであった。
冒険を終えて食う夕飯があんなにうまく感じたことはそんなになくなったね。
そこの夏祭りやラジオ体操やなんかにいくと完全アウェイで知ってる奴は誰もいない。
逆に地元のほうで他の子がいとこなんかを連れて来ていると「ああ、おれはあんな感じなのかあ。」と妙に納得したり。もうひとりの自分みたいな。そういうのあるじゃん。
まあこの話にオチはなくて、
ただ単に「懐かしいなんてもんじゃねえよな。」っていうこと。
今回ロケ地となったこの場所ではそんな思いが去来したというだけのこと。
もうこの企画ただの「自分メモリー」になっているからの。
でも
「日々をワクワクして生きるってことが死ぬほど大事なんだな。」
ってことにふと当たり前のように思い至ったロケだった。