あらすじ(2012年公開) 無声映画(サイレント)全盛時代の大スター、ジョージ・ヴァレンティンと、 有声映画(トーキー)時代の起こりを駆け上る女優ペパー・ミラーと、 あと犬と、あとダンスによる、「表現とは何か」ということ。でもダンスが一番ということ。
みどころ
「僕は言葉がすきなんだ。」
さあこの映画はアカデミー賞ということで、でもサイレント(無声)ということで、 でも「おもしろいのかなあ」ということで、 でも観てみたわけだけど、
最初は感覚がおかしくなりそうだった。
だって喋らねえんだもの。
西部劇のワンシーンで(あくまで”風”)モノクロにガンマンがなにか言ったところで反転して「ケツの穴を2つにしてやろうか?」という字幕が入るあの演出はワンポイントでならば好きだったよ。
まず、サイレントに面食らう。
でもサイレント映画って全部そうなんだよ。と言うかこの作品に至っては字幕も極力減らしているとか。 だから最初「嘘でしょ?このままいくの?」と思って次に「あ、ああ、サイレント映画のスターの落ちぶれぶりをこれからふつうの映画でやるのかあ!!有声でえ!!」とか思い聞かせたけどいや違うみたい。そして「え、これでアカデミー賞?」となる。アカデミー賞知らんけどあんまし。そして世の映画評論様の記事を見てみるとやはり無声で行くことが判明。まあ早送りすればよかったんだけど。
そして慣れる。
でもそこで話のあらすじを掴んでおいてから観てみると意外や意外に観れてしまう。 「ああ、ここはこれを表してるんだなあ」と。
この映画は、 無声時代(サイレント)の大スターが、 有声時代(トーキー)へ頑なに反抗しつづけて無声を貫きつつ、 でもやはり時代はセリフを求めていて、 そしてもうどっちが良いんだか分からなくなって、 「表現とはなんぞ?」 ということで『アーティスト』ということになる。 でもけっきょく「ダンスが一番だよね」ってこと。
というより普通に話の内容が面白かったけどね。
落ちぶれた大スターと、その一ファンだったけども時代の寵児となったシンデレラ女優が彼に対するストーカー行為を繰り返す劇。そして演技派な犬。
空間把握能力が身につくかも。
確かにセリフがなくとも、むしろそのせいで、表情に注目するようになる。 ふつうの今の映画でも(サイレント時代はそれが異常で「映画は終わった」とすら評されたという)、 表情が印象的なシーンはあれどいつもいつもではない。 けどサイレントではそれから読み取る必要があるからいつも以上に「人の顔」を凝視することになっちゃう。
「人ってこういう時こんな顔するんだなあ」
って状況を把握する「空間把握能力」みたいなパイロットに必需とされる力が如き感性が磨かれるやもしれんね。「空気読めねえ」とならない様になるかもしれませんよ。しらんけど。
「文章」の面白さに目覚めてハマった時、「文字だけですべて表現するとはとんでもないなあ」と思うと同時に流れる空気まで文字化してしまう感性とその言葉のかっこよさに打たれたけど、 顔や動きだけで全てを表現するってのもやはりあるのだなあ。 と思った。
というより『ミスタービーン』は見まくったのを思い出した。
うんあれはめっちゃ面白かったわ。 正月によく観たっけ。チャップリンにせよ、笑いなら言語の壁はないからなあ。 なんにせよこの映画、 話の内容は普通に面白かったけど、
声ありでみたかったなあ。
結局。 普通に話が面白いものなんて結構あるからね。 「ちゃんと観れば。」 これがアカデミー賞作だというからちゃんと観ただけであって。 でもいろんな刺激になった。
シゲキ
ゲームならドット絵単音。
軍事なら空軍なんか要らん。
みたいなことあるじゃない。
うちの妹は楽天で買い物するけど最近までATMに自分で毎回振り込みに行っていた。 「カードでやりゃいいじゃん」といっても「自分で振り込まないと買った気がしない」と頑なにしていた。まあそれはそれで個人の趣味だし良いんだけど、最近楽天JCBデビットが年会費無料になったので「買うたびにP溜まるからいいじゃん」といって使わせてみると「いいわ~」という。
もっと貫けよって。
ね。すぐ陥落するからねうちの子は。そういう意地っ張りってのはいる。 中途半端なのが一番無意味ですけれどもね。 まあ可愛いからそれはいいけどさ。 貫いたならおもしろいけど。
でもゲームのドット絵なんかは「芸術」として、一つの表現として愛好されるのは自分にもわかるし、フリーゲームではそれが限界だからね大体。必然性があるから残るのもあるとは思うけど。
無声映画をみるなら無声映画時代の名作を見てみたいものだね。
やはりその時代の必然によって生み出されたモノのほうが。
あとは「言葉。」
私はやはり言葉がすきだ。 セリフ、文字。その人がなにを言ったか。残したか。
いつも言葉に惹かれてる。
名言名句。
アカデミー賞をとり、レビュー評価も高いなど、 サイレントがここまで今でも評価される状況をみたことで、 いっそうその思いを新たにできたのがシゲキか。
言葉がすきです。